〓IRONMANへの道.〓

人生苦なくして楽なし〜長榮潔〜

サハラマラソン2016 手記

MDSサハラマラソン2016 出場記

から

2017サハラマラソン参加予定の方へ

書き残します

 

僕のこの世界一過酷と言われるサハラマラソンへの挑戦は4年前にはじまった

運動どころか自分の足でも歩けなかったレベルの自称人生ロクデナシ会代表の僕が

このままではロクデナシを通り越して人間のクズの中の屑になると思い

 

飲みに行きやすいのとキャバ嬢にモテそうというだけで選んだ新宿の高層マンションの周りを走り始めた4年前

 

1㎞走れない

ほんとに自分はクズや…

とりあえず悔しくて毎日続けた

そしたら3㎞汗だくで走れるようになった

 

そんな頃、24時間テレビで盲目の女の子が鈴の音を頼りにトライアスロンをやってた

そんな番組を僕はもちろん二日酔いでタワーマンションの38階で見ながら、

 

自分のクズさに嫌気がさした

 

そして、トレーナーの青木くんに漠然と打ち明けた

 

30代で

 

IRONMANレース(トライアスロン)

ultramarathon(100㎞マラソン)

MDSサハラマラソン7日間

 

この3つを完走したい!!!

 

4年前の僕にはまるで人類が自分の力で空を飛ぶのと同じくらいの果てしない彼方の目標だった

 

確かその時に言われた言葉も、30代では厳しいかもね…だった気がする

 

そして2年でIRONMANを完走して3年でウルトラマラソン100㎞完走して

遂に残すところサハラマラソンだけになった

 

今までのレースとはわけが違うのは承知の上で予定より5年も早く挑戦することになった

 

そして先週から遂にパリからモロッコ入り

モロッコってどこやねん…

 

 

 

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モロッコに入ると上の様なパリの余裕はもちろんありません

 

ビパーグ(野営)と呼ばれる、横風もなにも防ぐ物のない現地のベルベル人のテントで寝泊まりです

 

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ルールは沢山あるのですが要は自分の食料も寝床も全部背負って7日間サハラ砂漠を総距離257㎞突き進む

 

1日毎にゴール(ビパーグ)があってそこまで向かい合計タイムを競う

その日のビパーグに着くと自給自足で食料や火も全て自分が背負えるものだけ

重さの上限は15㎏

他人から助けてもらったらペナルティ

 

 

いさサハラマラソン7日間257㎞へGO

 

【1日目】

1日目は当日に記していたものを以下

 

投稿できないけれど書き残しておこう
1日目のスタートラインに着いた時

サハラマラソンは「究極の大人の贅沢な遊び」だと思った

高いエントリー費用(約50万)払って

パリ経由でモロッコに行きサハラ砂漠を目指し

スタートするまでは…

 

 

しかし初日でサハラの洗礼を受ける

 

もしも世の中に「地獄」という場所があるならそれは砂漠だ

 

太陽

 

だけが容赦なく襲いかかる
走るどころか歩いてですら完走できる気がしない
サハラの洗礼だ

 

「仕事ほっぽりだしてなにやってんだお前は」

 

そう言われてるようだった

 

「サッサと辞めちまえ」

 
その声に打ち勝つためだけになにも考えず

 

ただ一歩一歩足を前に運ぶ

 

一歩一歩前に出ないと終わらない

 

早く終わらせたいから走ってみる

早く終わらせたいために歩くか走るか選んだのははじめてだ
今までの人生で1番辛いかもしれない

今が…

 
そういえば明日は4/11

結婚記念日だったかもしれない。。

そんなの覚えられる性分じゃないから覚えやすい日にしようと思って

岩城さんの誕生日と同じなんだ

てことは岩城さんも誕生日か…

きっとまた飲んだくれてるんだろうな

なにやってんだ俺…

てことは明後日は長野の誕生日か

その次はゆきおの誕生日だ

その後は洋介の誕生日もある

なにやってんだ俺、砂漠の真ん中で

 

チクショウ

 

涙が出てくる
早く帰ってみんなに会いてぇな

 
とにかく終わらせるためには明日も明後日も足を一歩一歩前に出すしかない

 

みんなからメールが届けられた

そんなサービスがあるんだ。

単純に嬉しい

長野は長野らしく日本語は表示されないのに日本語で送ってくるからなんにも読めない。相変わらず長野らしくてそれもまた嬉しい
みんなありがとう

 

文章書く元気もないけどどうしても今のリアルな気持ちを書き残しておきたいから
明日もまた走ろう
2016.4.10 長榮潔

 

 

【2日目以降】

 

そして昨日以降リアルタイムで書き残せることはなかった

 

毎日書き残すことすらできなかった

 

本当は1番辛いところを書き残したかった

 

自分の最も弱気なありのままの気持ちを

 

だけど、そんな余裕すらなかった

毎日朝の5時に起きて

すぐに朝食の段取り、お湯を焚いたりα米に水を入れたり

そしたら現地の遊牧民がテントをたたみにくるからそれまでに急いで用意

 

 

そして気づけばまたサハラを突き進まなくてはいけない

 

大人の究極の贅沢

 

なんて言ったのは誰だ

 

これはただの修行で自分との戦いだ

 

1日目から3日目までは約40㎞以内くらいがゴール

4日目は36時間で85㎞夜通し走らなきゃいけない

 

そしてなにより走ることよりもその生活は、都会のそれとは大違いだ

 

屋根や壁などど呼べるものはなく布に覆われてるだけ

 

夜中寝ていれば突然の突風で顔中砂だらけになる

 

なによりも辛いのは毎日フルマラソン以上の事をやってるのに限られた食事

 

朝に約1.5リットルの水が配られる

軍隊のトラックで配給されるように

 

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この水も大事に使わなきゃ飲む分すらなくなったら脱水になってしまう

 

 

食事はテントの周りからマキなどを集めて火を付けて自炊しなくてはならない

 

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そしてけっこうヤバかったのがトイレ

 

とりあえず見てくれ給え

 

 

 

 

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ここにビニール袋をかけてウ◯チして自分で捨てる

 

それだけでも衝撃的だったがこんなの囲まれてるだけで周りからも透けてて隙間からも丸見えでそのくせ並ばれてるから落ち着いてできないので1日で僕は野◯ソに変更

 

東京じゃパクられてもおかしくないがこの大自然の広大なサハラじゃ女性までみんなそうしてる

 

事実、野◯ソしながら左を向いたらすぐそこで外人の女性もしてて目が合って会釈された

 

なにをしてる最中に女性と挨拶したのは人生初だ

 

でもそんな事も1日で慣れる

 

慣れなきゃここではやっていけないしリタイヤするだけだ

 

ここにはもちろん

テレビもなければ携帯もない

水洗トイレもキッチンも冷蔵庫も洗濯機もない

近代社会で生活するのに最低限必要な物など何一つない

 

何一つない

 

だけどなにも変わらず人は生きていける

笑っている悩んでいる苦しんでいる感動している

 

便利な物があったってなくたって

 

人は変わらず生きている

 

ここには都会にないものが少しだけある

 

くだらない建ぺい率なんかに縛られない誰のものでもない広大な大地

時計はないけど時刻を教えてくれる満点の星空

優しくも強くも照りつける太陽

 

 

これが生命が生きるという事なんだと心から感じた

 

 

4日目のオーバナイトステージと呼ばれる夜通し85㎞を走り続けるステージで

 

満点の星空の中、身に付けていたヘッドライトを消して月明かりだけで走ってみた

 

 

なぜだか涙が止まらなかった

 

理由なんてわからないしなんとも言えない感覚だった

 

そして2度目の心が折れかけたその時

 

「早く家族の元へ帰る為に走ろう」

 

そう思えてまた足が動き始めた

 

 

 

次の日も灼熱の太陽は容赦なく照りつけたがもう辛さはなかった

 

 

 

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走るのが好きでサハラマラソンに挑んで

苦しんで辛くてもう走りたくないと思って弱い自分と自問自答しながら諦めずにそれを乗り越えたら

 

走るのがもっと好きになってた

 

そして大好きな家族に会う為にも守る為にも僕はもっと強くなって走り続けなきゃいけないと思えた

 

サハラの陽が暮れていく

 

 

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家に帰ろう

 

長渕剛さんの歌にこんな歌詞があった

 

「旅をするのは帰る場所があるからで、流離の旅ほど悲しいものはない」

 

 

僕には帰る場所も待っていてくれる人もいる

 

それ以上に幸せな事も必要なものもない

 

世界中には帰る場所もなければやる仕事もない人が沢山苦しんでる

 

それをある者が贅沢を言ってはいけないというただ単純なことなのに

 

人はある事に溺れる

 

 

世界中から集まるこのサハラマラソンに参加している多くの人達が

自分の国の国旗を誇らしげに掲げ

大切な家族の写真を胸に掲げ

 

ゴールする姿を見て

 

もっと愛する者を愛してると、大切な者を大切と素直に言える生き方をしたいと思った

 

僕には帰る場所がある

 

何度も言うが

 

僕には帰る場所がある

 

家族がいる

 

こんなに恵まれていることはない

 

家族なんて持つ資格もないほどクソな人生を歩んできた僕は、野◯ソをしながらサハラの大地を駆け抜けたらそんな当たり前のことを気づかされた

 

当たり前のように目の前にある大切なものは当たり前にいつまでもあるとは限らない

 

だからこそ「今」を大切にしなきゃ

 

 

 

このサハラマラソン記を通して、

過酷でそれでいて楽しい事を書こうと残そうと必死に行く前から楽しみにしてた

 

だけど、終えてみて結局本当に辛いところは言葉にもならなかったし残す余裕すらなかったし

楽しさも過酷さも感動も

こればっかりは文章では伝えられなそうだ

 

ツマラナイ文になってしまって申し訳ない

 

 

知りたい人は方法がひとつだけある

 

自分で挑戦して味わってくれ

 

 

足は疲れ果て心は折れかけなんで生きてるのかわからなくなりかけた時に夜空を見上げて降り注ぐ星空と微動だにしない月に見られているのを感じた時に

なにも隠せない裸の自分自身がそこにいて

 

涙が溢れて止まらないだろう

 

それを味わいたければサハラマラソンに行けばいい

人生最大の覚悟を持って

 

そしたら自分にとって本当に大切なものが見えてくる

 

 

そしてもしも自分なんかに無理だと思っているのならそれは大間違いだ

 

なぜなら4年前まで朝から晩までキャバクラで飲み歩くしか脳がなかったロクデナシの僕が目標をたててサハラマラソンに出たい!そう強く念ったらできたんだから他にできない人なんていない

 

 

しかし、今回本当は3人でチームを組んで出場するはずが不本意にもチーム出場は棄権になりやり残した感のある僕は

いつもならこの感動と衝動に後押しされ

 

来年の2017サハラマラソン誰かチームで出ましょう!!

と言ってしまうところだが

今回は僕自身がそうは思えない

 

思えないほど

準備、資金、計画、そしてなによりもレースそのものが大変過ぎてとてもじゃないが来年また出ようとは思えない

 

だけど悩んでる人がいるなら来年出る人がいるなら遠慮なくなんでも相談してください

それなりに説明はできるし

僕らにも今回そうやって過去の出場した方の協力があって完走できたことに強く感謝しているので僕もできる事があるならなんでもしたいと単純に思ってます

 

最後に今回、国ごとに割り振られたテント47番で偶然にも必然的に一緒になったみんなありがとうございました

こんなにも強豪が揃うかというほどのチームでした

 

日に日に人数が少なくなっていく他のテントの中、うちのテントは減るどころか明るいうちに帰ってきてもみんな先にいる

 

明るいうちに帰って来るだけでもそれなりのことなのに(・・;)

 

しかし、そんなテントでも最終日は2位になれた事が僕の中でもひとつの自信になりました

 

本当にありがとうございました

 

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35歳気持ちは16歳

親に恵まれ家族に恵まれ仲間に恵まれて

15歳の時にグレて母親に「なんで俺なんか産んだんだ」そう叫んだ僕は

サハラ砂漠のど真ん中、

生まれてこれた事に心から感謝しています.

 

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2016.4.17 長栄潔

 

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