人生苦なくして楽なし〜長榮潔〜

IRONMAN busselton 2017レース模様

 
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2013年人生はじめてのトライアスロン(swim bike run)に挑戦 15歳以来運動とは無縁の堕落した世界を生きて来た僕が 世界三大タイトルの IRONMAN ultramarathon100㎞ DMSサハラマラソン に死ぬまでに1度挑戦して完走してみたいと覚悟した 1㎞走れなかった32歳の僕が途方もない挑戦をしながら 人生に社会に経営に家族に生きるということに本気で向き合っている ロクデナシの僕にできるんだ他にできない人なんていない  人生はequalだ 仕事も家族も遊びもバランスが大事

 

IRONMANレースが終わってから

目標第1章を終えた僕は

いったいどんな心境なのかどんな景色なのか、楽しみにしていたけれど

 

特に変わらない朝が来て

虚無感もない代わりに特段満足感には浸れず

 

人間特有の(僕は特に)

 

もっと欲しい

 

に苛まれている

 

もっと速くなりたい

もっと強くなりたい

もっと高い壁を登りたい

 

ゴールはここにはなかった。

 

 

次の目標の前に今後もしかしたら挑戦する人の参考のためにもレースを振り返っておきます
『レース当日』

IRONMAN西オーストラリアはレースの動線がとても良い

1番の稼働距離を取るbikeのスタート地点とゴール地点が一緒

だからなに?とか思うかもしれませんがIRONMANはbike180㎞

スタート地点とゴール地点が違うだけで、とんでとないところまで荷物を置きに行ったり取りに行ったりしなくてはならない

 

だから、

スイムを上がってバイクのスタート地点とバイクのゴール地点が同じでランのゴールも同じなら最高

尚且つ宿泊施設をその近くにとれば言うことなし

 

今回のレースはまさにそれ!!

 

宿泊施設からスイムスタート地点とゴール地点もバイクもランも全部一箇所を拠点として成り立ってるので

 

朝向かうのもギリギリスタート時間30分前に向かった

 

その代わりと言ってはなんだがホテルとは呼べないモーテルの風呂周りは最悪

 

わかっていたがレースの利便性を経験上優先した

 

 

 

 

スタート前30分で体操を必要以上に行いヨガをしながら待つ

 

気温は暑いが水温は21度程度なのでウェット着用

 

そしてスイムスタート

 

 

『スイム3.8㎞』

 

1500人前後が一斉にスタート

 

最近では珍しい

 

4人づつぐらいでトラッカーを踏んで自己申告タイムでスタートするローリングスタートが最近多い

これだと混戦にならないから危険度が下がるのだろう

 

しかし今回は一斉スタート

速い人も遅い人も老若男女も

 

 

img_3088

 
これがまた圧巻

我先にと泳ぐ

 

僕はさほど速い方ではないけど一斉スタートなら号砲からタイムはスタートするのでなるべく最前列から出た方が時間的には有利

但し、バトルが起きて速い人に押し潰されるリスクは有る

 

しかしそこは今回賭けてるものだけは1500人中100位には入っているはず

だったら迷う事はない

1番前からスタート(笑)

 

この瞬間だけ僕はIRONMANで1500人中1位にいた^_^

 

しかしスタートと同時に押し潰される

しかしそんなの覚悟の上

やり返す

あまりやり過ぎると体力消耗するから程々に

いきなりゴーグル飛ぶ

直す

また飛ぶ

水入る

水飲む

シカト

 

微妙に流れがあるが1500人同じ方向に向かってるのである意味それに全員で逆らって速い気もする

 

桟橋のはじまで1.9㎞

 

折り返す地点はそこそこ波はあったがトカラ列島のダイビングに比べたらタイシタコトナイ

そう言い聞かす

 

帰りは桟橋最inコースを辿る

時計を見ると39分

おっ!?これいいんじゃないの?

 

僕速くなってる

 

なのに疲れない

 

上げよう

 

その後もいつまでたってもバトルが続くのに一瞬嫌気が指すが

 

ずっとバトルが続いているということはそこそこいい位置で泳いでるってことかと思いつく

 

なんてポジティブなんだ自分

 

でも今まではもっと後ろの方だったから人もまばらだった

それが今は競い合ってる位置にいる

それがたまらなくレースに参加できていて楽しかった

 

スイムアップ1時間12分

トランジッションまで少し離れて正式タイムは1時間14分

 

目標より速い

テンション上がる

 

昨日一昨日と必要以上に試泳を2㎞した

 

試泳や試走は賛否両論あるが、

スイムに関しては僕は必要以上にコースの感覚に慣れておいた方がいい気がする

現に現地入りした日泳いだ時はレース日より断然泳ぎにくかった

それに先週最後の練習の煩悩払拭100m108本

のおかげで3.8㎞を短く感じる

それが功を称して好タイム

 

しかし問題はこのあとのバイク

気は抜けない

 

 

『バイク180㎞』

 

カロリーメイト食べて水ラッパ飲みしてトランジッションを出る

少し離れてたから7分くらいかかったのかな?まぁ予定通り

 

バイクに乗ってからも朝ホテルから盗んで来たパンをラップして置いておいたので乗りながら食べる

 

なるべく固形物は疲れてくると受け付けなくなるから今のうちに食べておく

 

 

 

周りの人に笑われる

 

 

うるせぇー!!

 

 

 

あとで腹減っても知らねぇぞ!

 

 

 

こっちはカナダの時に腹減りすぎて沿道のパツ金美女に泣きながらピーナッツパンもらってんだ

 

食えるうちに食っとけ!!

 

 

 

バイクの試走も2日前に90㎞

つまり2ラップのコースを1周してるのでコースは把握してる

 

今回はかなりフラットコース

難点は風

これを読みたかったからコースを試走した

 

最初の45㎞は追い風

帰りの45㎞が向かい風

午後になると風は必ず増す

これが今回の下調べ

 

作戦は

僕は向かい風にめちゃんこ弱いのでそこは抜かれても動じず耐える

追い風で飛ばす

向かい風で耐える

 

予定通り行きは速い

いつも抜かされてばかりの僕が時に40㎞にまで達して抜いている

これはまさに練習の成果だ

 

40㎞出したらいつもなら足にくるけどハッキリ言って脚は使ってる感覚がない

これも練習の成果か!

 

筑波で見つけた漕ぎ方がまさにヒット!!

 

行って良かった〜(T_T)

松原さんありがとう〜(T_T)

 

 

※余談ですが筑波往復練習の日、交番の前で待ち合わせしたのに凄い勢いで通り過ぎるこのお方。あとでなんでか聞いたら「交番は嫌い」と中学生みたいなことを言ってた

 

 

話はレースに戻り

 

1回目の帰り道

そこそこ風はあるが29㎞ぐらい出てる

それでもやはり僕は下手みたいで抜かされるがここは焦らず1人づつその背中を覚えてやる

 

あとで見てろ

無理したら後半痛い目見るからな!

 

それは的中

2週目に入るとさっきの人達がみんな落ちてくる

 

ぼく元気まだまだイケる

しかしこのままだとギリギリ5時間台

なのにオシッコ漏れそう

 

 

ここでトイレに行ったらその分だけ6時間を超えそう

 

悩んだ結果最後の折り返しを越えてトイレに寄る

 

「篠崎さんごめなさい。せっかく6時間切れるようにと呟きながら僕のチェーンを磨いてくれたのに」

そう心の中で呟く

 

それでも我慢してるよりパフォーマンスが上がる気がしたのと最終目標は12時間

 

その分、トランジッションでトイレに行かなければトータルの時間は変わらないと冷静に判断した結果です

 

 

その予感は的中

オシッコしたら漕ぎやすくなってなんとか帰りの強くなって来た向かい風にも耐える

 

トイレの時間と強くなった風で平均30㎞をわずかに割ってしまった

しかしバイク180㎞6時間4分は上出来!

 

ランで4時間半ある

脚に話しかける

僕「イケるな?」

脚「任せろ」

 

 

『ラン42.195㎞』

 

脚は生きてる今までで1番

バイクが成長した証拠だ

なによりそれが嬉しかった

 

しかし最後の綱渡りが始まる

㎞6分で行けばイケる

僕の予定は㎞5分半の合計4時間以内

 

1周10㎞の4周回コース

1周目走り出す

調子は良い

どこの製品よりも高品質なマグオンを7つ

5㎞毎に食べて全部なくなる

 

 

 

ここに来てエネルギー切れだけはゴメンだ

 

 

開始2㎞

 

平均ペースを確認

 

ん?

 

㎞10分ペース?

 

そんなはずはない

 

 

 

むむむ?

 

 

 

あーーーーーー?!

 

 

 

 

出たガーミンクラッシュ(・Д・)

 

 

 

 

時計が気になる

不安になる

GPS読み込んでないからペースわからない

 

IRONMAN9回目でガーミントラブル7回目

 

まともに取れたの2回

 

マジムカつくがここは冷静になるしかない

 

 

落ち着けキヨシ

 

こんな事もあろうかと

何度も何度も何度も

体感でペースを覚えて来たじゃないか

それに心拍計は生きてる

HR150

おそらく㎞5分半より少し速いぐらい

20㎞以降必ず少しは落ちるから5分半より速いぐらいで良し

 

 

それでも不安になり隣の人に聞く

 

 

「I have a pen」

 

 

シカトされる…

 

 

ウケると思ったのに知らないんだこの人

 

 

仕方がないから抜かそうと思った日本人に聞く

 

㎞6分とのこと

 

それより速いからたぶんあってる

 

折り返し地点に来るとまさかの向かい風強風

 

マジかよ

ランで風が気になったのはじめてだ

てことはかなり強い風か

脚が前に出ない

周りも進んでない

それでもペースを維持してたら

心拍が160を超えてる

これはマズイなあとから来る

少しだけ抑える

 

 

問題は20㎞から

いつもIRONMANではそこから脚が石みたいに重くなる

 

そして18㎞地点

やはり来た

 

神に祈らない僕が神に頼む

 

「もうこれ以上苦しめないでくれ」

 

ここまで3年間そこそこやってきた

 

最後ぐらい楽しく走らせてほしい

 

できれば最後の1周まで元気でペースを上げて気持ちよく終えたい

 

脚がパンパンになってきた

 

だけどエイドは止まらないと決めてたから走る

 

水だけ走って受け取る

 

落とす

 

 

チクショ(T_T)

 

 

そうだ!!

スペシャルニーズにレッドブル入れてた!!

 

 

どこで飲もう?

 

 

たぶん最後の1周は気合で乗り越えられる

 

というのことは勝負は3周目

 

ここでペースが落ちなければクリアできる

 

その前にレッドブル注入だ!!

 

 

薬的なものを飲まないで育った僕は薬が人一倍聞く

 

普段もレッドブルなんて飲まないからたまにレースで飲むと効きすぎる

 

それはあそこがおっ勃つぐらい

 

 

それを3周目に入る前に注入だ!

 

その前にエイドで一度太ももに氷を詰める

 

途中でジェルのせいかトイレに駆け込む

 

しかしレッドブル飲んだらパワーアップ!!

 

4周目に入って脚はもうガクガクだけど

あと10㎞走れば長かったこの3年間に終止符を打てると思ったら

 

なぜだかこんなに辛いのに脚は止まらなかった

 

 

 

そして遂にその時は来た

 

嬉しいとは思っていたがこんなに嬉しいとは

 

 

 

 

 

 

いつもの様にIRONMANロードにお辞儀をして

ここまで走らせてもらったこと挑戦させてもらったことに感謝

 

 

 

 

 

 

そして人生で初めてのガッツポーズ

 

 

 

全部が報われた

3年間の辛かった事も苦しかった事も

ただこのロードを目標の時間内に通るためだけにやってきた

 

 

 

ゴールで

思わず泣いてしまう

 

 

 

 

スタッフに話しかけられる

 

良くやったみたいなこと言ってる

 

泣いてる僕に

初めてゴールしたのか?と聞かれ

 

「ten times」

 

と一言言ったら

 

じゃあなんで泣いてるんだ?と言わんばかりの顔

 

 

説明する会話力はない…

 

そうだベルリッツクビになったんだ

 

 

ラン4時間5分

 

あっ?5分…あのトイレだ…

 

チーン
でも今はそんなことどうでもいい

 

 

3年間の戦いが終わった

 

トータル11時間36分

 

『補給』
ジェルマグオン10個
カロリーメイト1袋
スニッカーズ3本
ドリンク750ml2本
食パンジャム付き1枚
レッドブル半分

 

だけど達成感はあるけど満足感にはまだ欠ける

 

心が身体が次の獲物を探してる

 

さぁ次はどうしよう

 

それはゆっくり帰るまでに探します。
IRONMANにこれから挑戦する人

西オーストラリアに行こうとしている人

そんな人の参考になれば嬉しいです

 

ちなみにIRONMANに挑戦することはそんなに難しいことではないと思います

 

だけどIRONMANになっても全てが変わるわけでもありません

 

その過程で歩んできた道のりでほんの少しづつ強くなって行くものだとつくづく感じました

 

 

あとは

 

できない理由を探すヒマがあったら出来る方法を探す方がよっぽど早いということだけ

 

 

続編

  1. トレーニング編
  2. 次の目標編
  3. 新たな仲間編

がまだあります^^;

 

興味のある人はご期待ください。
IRONMANへの道 長栄潔

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2013年人生はじめてのトライアスロン(swim bike run)に挑戦 15歳以来運動とは無縁の堕落した世界を生きて来た僕が 世界三大タイトルの IRONMAN ultramarathon100㎞ DMSサハラマラソン に死ぬまでに1度挑戦して完走してみたいと覚悟した 1㎞走れなかった32歳の僕が途方もない挑戦をしながら 人生に社会に経営に家族に生きるということに本気で向き合っている ロクデナシの僕にできるんだ他にできない人なんていない  人生はequalだ 仕事も家族も遊びもバランスが大事

Comment

  1. かしわぎ より:

    はじめまして。
    いつもブログ楽しく見させていただいてます。
    私は今年初めてロングのトライアスロンを完走し、来年海外IMに挑戦しようと情報探していたときに長榮さんのブログを見つけました。
    12時間切り、本当におめでとうございます。
    12時間切りもスゴいですが、長榮さんの歩んできた波瀾万丈(長榮さん自身そう思われていないかも?)の人生もスゴいと思います。
    これからも『次の目標』に向けて頑張ってください~。

    • kiyoshi nagae より:

      ありがとうございます!
      国内でロングのレースをクリアしているのなら余裕ですね^_^
      僕もはじめてIRONMANブランドに出場してからその魅力に取り憑かれたままです!
      どこかでお会いできるのを楽しみにしています!

  2. dome より:

    グラサン良いね 俺も持ってる ピーカンじゃないと少し暗くない? なにはともあれおめでとうございます コナ目指して頑張る?やれそうだよねー٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

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