100mileウルトラトレイルレース挑戦
人生はウルトラマラソンみたいなものだ
だから僕はロングの大会が好きだ
人生の栄枯盛衰が1日の中にギッシリ詰まってる
長くなればなるほど尚更だ
調子の良い時もあれば悪い時も
走れる時もあれば立っているのがやっとの時も
仲間を愛おしく思う時もあれば嫉妬する時も
前向きな時も辞めてしまいたい時も
人間の心はとっても理不尽で自分勝手で弱いと目の当たりにするが
最後やり切れば人間のまた強さも知らされる
【本番1日前】
レース前に日常から緊張してるのは人生で初めてだ
きっとそれはあの山の厳しさも苦しさもわかっていて完走できる保障などどこにもない怖さからか
失敗したら次が用意されてないからか
それとも期待からくるワクワクなのか
練習も準備も9割できたと胸を張って言える言い訳はない
結果は1割付いて来てないけど想像以上の状態だ
トレーニング練習だけでなく
1ヶ月前から酒も辞めて2ヶ月前から食事管理を徹底して身体に良いものだけをなるべく取り入れたせいか体調がすこぶるいい
あとは
慌てず焦らず驕らず腐らず
しっかり1歩1歩踏みしめるだけ
これはコース終盤の大高山に至る麓の展望台
この景色を
日が明ける前と日が暮れる前
の2回見れたら完走できる
練習では最高の夜明けをここで迎えられたが本番は見ちゃダメだ
その前に帰ってくるんだ
距離100mile 累積標高9000以上（大会はD9100とか言ってるけど毎回ガーミンでD10000超える計算w）
制限時間35時間（これはUTMBや同じ距離の世界の名だたる大会よりも10時間以上短い）
完走率
第1回 0% 0人
第2回 10% 15人
何度見てもふざけた大会だがワクワクする
自分の人生でこんな事に挑戦する日が来るとは思ってもいなかった
でも少なくても遠くから見て
バカだなと思って自分には関係のない世界だと酒ばかり飲んでロクでもない生き方をしていたこんな僕が
スタートラインに立てることを挑戦できることを誇りに思って感謝したい
もしも僕が走ってなければ
僕はただのどこにでもいる
呑んだくれた小金持ちの勘違いした経営者か
社会の秩序や繰り返される人間の裏切りと増悪に嫌気がさして心を閉ざした小さな会社の社長に過ぎない
いや…とっくに僕は鬱病かもしれない
現代社会に多くいる子と同じように
今でも仕事には大いに嫌気がさす事もあるし
職場でも人間関係には吐き気がする時もあるし
解決しても解決しても問題は次から次に転がり込んでくるし
思い通りに行く事なんて半分もなくて大半は上手くいかず
自分も含めた人間の理不尽さにはほとほと愛想が尽きる
家に帰ればただ癒される場などではなく日々上手くいかないこともあって
要は人生は思い通りに行かなくて投げ出したくなる事のが多い
愚痴ればキリがない
なんで僕は私はこんなに好きなのにあの人は振り向いてくれない
なんでこんなに頑張ってるのに報われない
僕が悪いんじゃなくてあいつが悪い会社が悪い
なんでなんでなんで
自分のせいじゃない
自分の事を棚に上げて人のせいは次から次に出てくる
それなのに僕が10代の頃して来たように投げ出さなかったのは諦めなかったのは
走ることがあったから
嫌なことがあった時に
マリファナ吸ったり酒を飲むんじゃなくて走ってすっきりする
体調が悪い時に寝てぐうたら過ごすのではなく走って整えた
走る事によって気にするようになった食習慣は心のみならず身体から整えてくれた
時に小田原から走って帰って来たり
四国のお遍路を走ったり（自転車）
砂漠を走ったり
30歳過ぎるまでランニングもしたことなかった人間が
走ることが僕の生活から外せない大切な一部になっていた
しかし走っても答えは簡単には転がり込んで来ない
走ることそのものが答えなのではなく
走る中で葛藤して自問自答して必死に自分で正しい答えを探してきた
そしたら
仕事がある喜びも
人間関係を悩める仲間がいることも
人間の欲望の端っこにある小さな素敵な希望の光も
帰る家が家庭が家族があることの素晴らしさも
生きてる事の喜びも
もっともっと感じられた
走るんだ走るんだ走るんだ
自分にとってのレースを精一杯
人生を逃げちゃいけない
2018.5.18
