人生苦なくして楽なし〜長榮潔〜

最後の贖罪の旅

 
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2013年人生はじめてのトライアスロン(swim bike run)に挑戦 15歳以来運動とは無縁の堕落した世界を生きて来た僕が 世界三大タイトルの IRONMAN ultramarathon100㎞ DMSサハラマラソン に死ぬまでに1度挑戦して完走してみたいと覚悟した 1㎞走れなかった32歳の僕が途方もない挑戦をしながら 人生に社会に経営に家族に生きるということに本気で向き合っている ロクデナシの僕にできるんだ他にできない人なんていない  人生はequalだ 仕事も家族も遊びもバランスが大事

10年前…

僕は20代にしてレクサスで運転手を付け後部座席で偉そうに振る舞い、自分でパーキングに入れることも昼食を選ぶこともできない生活をしてしていた

そう人間のクズだ

 

そしてその数年後に何を血迷ったか多摩川のハーフマラソンにその運転手と出たのが僕のランニング人生の始まりだったと記憶している

 

言うまでもないが結果は…

いつもなら二日酔いでエアコンの効いたタワーマンションで寝ている日曜日の昼下がり

僕は目の前の石コロがエアーズロックに見えるほどに疲労困憊して青空の下をただただ

「なんでこんなことしてるんだろう」

と呟きながら歩いてゴールを目指していた。

 

その12時間後に新婚旅行で向かったのがスペインのバルセロナだったのを今とつぜん思い出した。

 

10年後…

僕はいま明日からはじまるヨーロッパ最難関でもあり世界有数の過酷なレースでもあるアンドラウルトラトレイル ロンダ170と言う100mile(170㎞)山を走るレースに出場するためアンドラ公国に向かう道中

スペインのバルセロナにいる

 

 

自分でもなんでこんな事になったのかさっぱりわからない

10年前多摩川のハーフマラソンに出場するために練習を始めたら、1㎞続けて走る事もできなかった

本番は運転手にも余裕で置いていかれ走れたのは最初の4㎞ぐらいだけだった

 

それがなぜ今ぼくは60時間と言う訳の分からない時間制限の中、確実に二晩は寝ないで標高2000m〜3000mの山岳部を走り続けなくてはならないような事に挑戦しているのだろう

 

今を生きる

ハーフマラソンがフルマラソンになり

トライアスロンに挑戦して

ウルトラマラソンにエスカレートして

IRNOMANになりたくて

サハラ砂漠を7日間走って

モンブランを100mile走っても

欲張りな僕の心は飽き足らず

止まることを忘れた頭は脳内麻痺したかのように

 

もっともっと

もっともっと

もっと過酷でキツイことがある

もっとギリギリの所まで行ける

そう自分を奮い立たせて来たらこんな所にいた

 

人間の欲にキリはない

それでもトレイルのマイルレースは僕にとってその終着地点かもしれない

もっと長い距離のレースも過酷な環境下のレースもあるけれど

スピードと標高や環境と準備も含めて

マイラーと呼ばれる者が最高にキツい

 

その通りに、十分に準備もしてきたにも関わらず、完走したいのに完走できなかったレースはマイルレースが初めてだ

 

だから僕は取り憑かれた

サイコパスな僕はできないことをできないまま終わらせられない

とりわけ他人にできてることなら尚更

それが例えどんな困難を含んでいても

 

それはまるで30歳を過ぎるまで自分本意で身勝手な生き方ばかりしてきて、人を傷つけ踏み台にしてきたことの人生を贖罪するかの様だ

 

僕にとってこの10年間の走りは結局のところ贖罪であった様に思う

20代までに僕がやってきた生き方はたかだか10年で許されるとは到底思えないが

それでも10年前と違う生き方を少しは出来るようになった気がする

 

自分のためより人のため

 

僕がこの数年手帳に書いて迷った時悩んだ時に指針にしてきた言葉だ

そしたら

10年前みたいにレクサスも乗れなくなっちゃったし、運転手なんてもちろんいなくてバスで通勤してるけど

 

10年前より自信を持って言える事は

幸せだ

 

人は皆、欲望の塊で飽くなき欲求の元に生きている

仕事も会社もお金も成功も夢も愛も

全ては詰まる所は欲望だ

僕がこうして1㎞走れなかったところから100mile走りたくなることも結局は自分が許されている様な気分になる

 

だけど人間からその欲がどうせ消えないのなら

これからはもっと自分のためではなく人のためにその欲を使いたい

 

 

 

ぼくは自分の贖罪の旅をこれで終わりにしたい

100mileレースはこれで最後かもしれない

少なくも当分の間は

 

マイルレースはキツい

レースそのものもそうだが準備や精神や身体への負担

健康も考えて毎日3㎞走り始めたのに気づけば身体に悪いところまで行ってた(笑)

 

少しだけ疲れてしまった

みんなで始めたマラソンも後ろを振り返ったら誰もいなくてぼく1人で突っ走ってた

会社もそうだ

まずは自分の贖罪を片付けたら次は会社

会社には僕がやらなきゃいけない責務がまだ残っている

それをやり遂げたら

やっぱり少しだけ止まりたい

 

10年前みたいな運転手付きの楽な生活をしたいとはこれっぽっちも思わないけれど

 

少しだけ疲れた…静かに生きたい。

次から次へと止まらない欲に任せて生きるのではなく

もう少しだけの自分の心の本音に耳を傾けて

 

 

10年前にバルセロナに来た時にまだ工事してたサクラダファミリアはまだ工事してた

 

本当にキリがない人間の欲は

きっとガウディはこんな物創ってないと思うんだ

 

 

 

 

 

 

飛行機で固まった身体をほぐすためにジョグ

Andorra Ultra Trail Ronda170

スペインとフランスの国境ピレネー山脈にまたがる小さな小さな国

アンドラ公国🇦🇩

 

 

小さ過ぎだろ

タックスヘイブンのこの国は

10年前の僕なら確実にマネーロンダリングを考えたが、残念ながらいまは青汁王子の様に脱税するほどの金も隠す金も持ち合わせていない

 

この小さな国を気象荒れ狂うピレネー山脈をグルっと1周170㎞

累積標高13500m

標高2000m〜3000mの間の16ピークを制限時間60時間以内に帰ってゴールだ

 

 

 

見てるだけで具合が悪くなりそうなノコギリ側面図

 

最後の100mileレースにするには申し分ない

 

まだアンドラ公国にすら入れてないけどあと24時間後にはレーススタート

 

怖さもあるけどやっぱりワクワクが止まらない

最後の贖罪はどんな苦悩が待っているのだろう

心残りは彩の国トレニックワールド100mileをやり遂げられなかったことだけど、来年はどうしてもやらなきゃいけない仕事があるから

老後の楽しみに取っておくのもいいかも知れないw

 

 

それではレース後に…

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2013年人生はじめてのトライアスロン(swim bike run)に挑戦 15歳以来運動とは無縁の堕落した世界を生きて来た僕が 世界三大タイトルの IRONMAN ultramarathon100㎞ DMSサハラマラソン に死ぬまでに1度挑戦して完走してみたいと覚悟した 1㎞走れなかった32歳の僕が途方もない挑戦をしながら 人生に社会に経営に家族に生きるということに本気で向き合っている ロクデナシの僕にできるんだ他にできない人なんていない  人生はequalだ 仕事も家族も遊びもバランスが大事

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