父と子の旅行in石垣島

3年ぶりのギックリ腰と5年ぶりの風邪をこじらせた中、6歳の娘と3歳の息子の2人を連れた旅行が明日で終わる
出発の前々日に妻が出産してそこから急遽キャンセル待ちかけてパッキングして飛び出した弾丸旅行
いつまママ、ママ、と言ってばかりいる2人を僕だけで連れて行くのが不安じゃないかと言われれば少し不安だったが
「この子達は僕の子だから大丈夫」
という気持ちのが大きかったのが旅行を決意したキッカケだ
下の子は言うこと聞かなくて泣かせてしまった事もあったけど
ママといる時はやれと言われないことまでやらせて大変な思いもさせたけど
僕は厳しくも優しくそうやってこの子達を育てて生きたい
最近世の中を見てると最近つくづく甘い親が多いと感じる
自分の子供を怒れない
キチンとした礼儀教育躾をやり続けられない
そしてそのほとんどは
子の為にしてないのではなく
自分ができないだけではないかと思う
言い続けるのが面倒くさい
怒ると嫌われる
うるさいと思われる
そのほとんどの理由は子の為ではなく自分を守りたいだけだ
母親はそれでも毎日毎日いれば嫌にもなるかもしれない
だからこそたまにしかいない父親がダメなものはダメと言えなくてはダメだと思うし
父親がいる意味なんて生活費持ってくることとそのぐらいではないだろうか
甘やかすだけなら片方でいい
最近、知り合いのお子様が有名なお寿司屋さんで修業中だと聞いた
1日15時間以上毎日修行に励んでいるという
未だにそんなところがあるのだと思ったし、今の時代そんなところはすぐにブラック企業だなんだとマスコミと親が騒ぎ出す
それなのにその親御さんは誇らしげに自慢気にその事を堂々と話していた
僕はカッコいいこんな親になりたいと思うと同時に
僕は自分が情けなくなった
自分の子供でもある自分の会社の子達にいま徹底してやらせているのは
飲食店でも労働基準法を遵守する
と言うことだ
だが、それは僕の本音ではない
つまり僕は嘘をついている
僕の本音では
「若いうちなんて寝ずに働いて365日24時間仕事のことだけ考えて30過ぎてから偉くなれ」
そう思っている
しかし僕は飲食をはじめて6年で多くの子がそれではやっていけずに会社を辞めて行くのを目の当たりにして
もう、それを言う勇気なんてとっくに無くなってしまった
一生ついて行くと言っても簡単に辞める子
調子のいい時だけついてくる子
アルバイトと駆け落ちする子
酒乱が治らず何度も警察沙汰になる子
アル中になり一緒に病院通いしてたら親から「酒を止めさせるのを辞めてください」と言われたこともあった
うつ病になったの子をそれでも諦めなかったら「もうかまうな」と言われ
1つ屋根の下で暮らした子に労働時間で訴えられかけたり
僕の心はとっくに折れ
気づけば
「逃げるな」
と言えなくなってた
僕の言ってることは間違ってるんだ
もう時代が変わったんだと思うようになった
それはそれで間違いではない
僕が飲食をやりたいと思ったキッカケになったワタミの会長は
24時間365日働けと言って、自分もそうして来て会社をデカくして
そして時代が代わり叩かれる的となった
そんな渡邉会長が最近SNSでこんなこことを口にした
「私もワタミももう変わっています」
僕には衝撃的だったし何故だか涙が溢れてきた
そして僕も自分の会社でいち早く
飲食でも労働基準法守る会社にする
ということを確立させなきゃいけないとつくづく思った
身を削って働くことがカッコいい時代も正しい時代もとうに終わった
オリンピックのシンクロの監督が1日15時間練習させてると言っていたが、その子達の為であってもあれと同じこと会社でしたら
なにかあれば会社のせいだ社長のせいだと甘やかして育ててきた自分の子供のひ弱さを棚に上げてバカ親が騒ぐこの時代に
僕は自分の息子を敢えて厳しい環境に置いても誇らし気でいれる知人のお父さんのように
自分の子供は強く厳しく育てて行こうと心に誓ったこの3日間だった
幸せにも
会社の子供と
家庭の子供の
2種類の子供を授からせてもらってる僕は
2つの子供にまるで正反対の「道」をつくっていることに
親として社長として、とても滑稽で矛盾していて未熟者だと自分で情けなくなる
しかし、「道」は違えど目指しているところは同じだ
会社の子にも
家庭の子にも
幸せになってほしい
ただそれを願うばかりだ
僕はどこかの芸能人の二世の様に強姦致傷やっても金払って示談とって釈放させちゃう様な親にはなりたくない
もしも自分の息子が同じ様なことをした時にはハッキリと
自分で責任を取って罪を償ってこい
と言える父親でありたい
少なくとも僕の父親は僕が少年院に入っても鑑別所に入っても面会には来なかった
そして帰ってきた時に一言
「少しは男らしい顔になって帰ってきたじゃねぇか」
という様な厳しくも優しい言葉をくれる父親だった
僕はそんな父親が強くて厳しくて嫌だったが
父のおかげで、
大人になってから、強く自分で生きていける男になれたとハッキリ思える
だから僕もそういう父でありたい
もしかしたらこの2人も厳しい僕よりも優しいママの方が大好きかもしれない
それでもこの子達が大人になった時に強く生きていける人間になって欲しいから
厳しくも愛情を注いで優しく育てて生きたい
大切なのは正しいか間違ってるかじゃない。正直か嘘かだ
朝からひたすら海とプールと飯食って遊んでクタクタで寝落ちした2人
この先、父親とだけの旅行なんて何回あるかわからない
頭のどこか片隅にでも良くも悪くも残る旅行にしてあげたい
さぁ帰ろうお家へ
帰るところがある幸せ
2016.9.11 長榮潔