〓IRONMANへの道.〓

人生苦なくして楽なし〜長榮潔〜

100mile ウルトラトレイル

この夏モンスターを見た

 

 

2017年年明け

IRONMANになるためのスタートラインに立つ為に3年間もかけてしまった

 

しかし3年間の断酒生活から明けた僕の心は踊らないはずがなかった

2ヶ月飲み明かし

嫌という程二日酔いを思い出し

あんなに飲みたかった酒を辞めたいと思った

 

自由であるはずのそこにはなんの快楽も興奮も情熱も感じることができなかった

 

居酒屋の社長が言うのもとってもおかしな話だが

 

酒は悪行の素だと思った。

 

 

そして僕が導き出した答えは

また倒すのに3年くらいかかるモンスターを探してそいつに夢中になれば酒なんかいらないほど熱く生きられるであろうという答えだった

 

そこで出会ったのがトレイルランニング

 

通称『トレラン』だった

 

 

IRONMANに匹敵

またはそれ以上を与えてくれるのはこれしかないと思った

 

メジャーな最高峰と言われているのは

モンブランにある100mile(約160㎞)レース UTMB

 

それを目指すべく今年に入ってからトレランな生活をしていた

 

 

そんな時に去年サハラマラソンに出た仲間から誘われた

 

「モンブランまで行かなくても埼玉にもっと大きな山がありますよ」

 

 

こういう言葉に僕は弱い

それは

「あそこに超絶可愛い子がいるらしい」

と僕には聞こえるんだ

見に行きたくならないわけがない。

 

迷わずエントリー

 

トレランで40㎞以上走ったことのない僕が3ヶ月後いきなり160㎞走らなきゃいけなくなったけど

 

その時は

 

「なんとかなるだろう」

「どうせいつかやるなら今」

 

トライアスロンを始めてから半年後にミドルレースにエントリーした時と同じぐらいの気持ちでしかなかった

 

これが小説なら

この時はまだその相手の強さを知る由もなかった…

 

こう書くだろう

 

 

しかし、結果はそんな言葉では足らないほどの見た事もない圧倒的な力でねじ伏せられるどころか足元に噛み付く事もできなかった

 

 

ものすごく大雑把に説明(あまり細かい説明はここでは意味がないので)

Northコース1週

Southコース2周

1周約50㎞ちょっとのコースを約3周

制限時間は35時間

合計161㎞の100mileレースだ

平均すれば1周11時間で回れば完走出来る事になる

 

しかしここで問題になるのは速さだけでなく

35時間起きてなきゃならない事も難しさになる

そもそも規則正しい僕は人生で35時間起きてた事がない

十代の頃夜通しオールナイトしても僕は朝までの24時間が限界だった

 

それに加えて1周50㎞ちょいの登り下りを11時間で走り続けるにはほぼ休んでるヒマがない

 

 

35時間という制限時間があまり理解できないと思うが

前述した世界最高峰だと思ってたUTMBで46時間ぐらいだから世界最高峰より10時間以上短い

 

 

そして結果は惨敗

 

あまりの圧倒的な巨大さに悔しさも感じれなかった

 

『圧巻』

 

こんな気持ちを抱かせられたのは人生ではじめてだ

 

基本、人生で人にできたぐらいなら僕にもできると勘違いして生きてきたからね

 

それがこの100mileレースというモンスターには勝てる気すらしなかった

 

今までやってた事がすべてお子ちゃまに感じた

 

鉄人レースと言われたIRONMAN

世界一過酷と言われたサハラマラソン

ウルトラマラソン118㎞(ロード)

 

そのどれもを完走した時になぜだか腑に落ちない達成感と物足りなさがほんの少しあった原因がハッキリわかった

 

IRONMANになりたいと思った時に言われた言葉を思い出す

 

「完走だけなら足を止めなきゃ誰でもできますよ」

 

 

その本当の意味を理解したのは今回かもしれない

 

100mile ウルトラトレイル

 

足を止めないぐらいじゃ完走どころか半分も行けない

 

前回完走率ゼロだった今大会の完走率

 

 

166人中15人 完走率9%

 

 

勘違いしてもらったら困る

この166人は少なくてもIRONMAN以上やウルトラランナーばかりの166人だ

ヘタしたら僕同様他のレースでは走力が足りずに完走できなかったことなどない猛者の集まりだ

そんな奴らが寄ってたかって集まって

 

たったの9%しか完走できない

 

僕は1周目こそ8時間45分で帰ってきたものの

その後2周目に入り70㎞地点で100㎞の関門に間に合わないことがわかり棄権

 

リタイヤとはいえ夜中だろうがなんだろうがそこから何十キロ離れたスタート地点に自力で帰らなきゃならない

もはや笑えない

 

 

僕がスライムなら聖水かけられて近寄ることもさせて貰えず蹴散らされた気分だ

 

そしてはじめて自分がスライムだったと気づいた

 

弱い

 

あまりにも弱過ぎる

 

心も身体も頭も

 

 

 

今年に入ってからトレランを教えてくれた師匠が言った

 

『強く優しく賢く』

 

そのどれもが足りてない

 

だけど収穫がゼロだったわけじゃない

自分に足りないものがわかった

 

 

リタイヤが決まった時にペーサーで最後の一周走ってくれるはずだった師匠は言った

「十分やったよ。戻っておいで。」

優しい…この優しさが僕には足りない

 

 

100㎞の関門に間に合わないことが確定した時に一緒にいた仲間は何時間かかっても100㎞までは走ると行った

強い…この強さが僕には足りない

 

 

練習でただ我武者羅に距離を走るばかりの僕

バカだ…賢さが足りない

 

 

この3つに気づけただけでもエントリーして良かった

 

それに2週間前には失敗して脚をケガしてスタート地点にも立てないと思ったのが少なくても絶好調の体調でスタート地点に立てただけでも感謝だ

 

 

なにより

 

圧倒的な力を見せつけられた100mileウルトラトレイルという巨大なモンスターに出会えた

こいつを倒すためには人生をかけるだけの十分な価値がある

 

たぶん相手がこいつならそこら辺の安っぽい女相手に

「かける時間が勿体無い」

なんて思わないほど落とし甲斐がある

 

このタイミングで100mileレースを中から経験できたのは良かった

 

ぜってぇ来年リベンジだ

 

待ってろトレニックワールドin越生

 

 

熱い夏が終わった…

 

全てを来年の100mile制覇の為に繋げる

 

 

 

 

2017.5.23 長栄潔

 

 

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