ずっと分かってた事
2年前現場を離れて
究極の焼き鳥家 ゴキゲン鳥 を下北沢に7年前オープンして
寝ないで働いて
必死に立ち上げて
ただただ繁盛した店を創りたくて
良いお店を創りたくて
その一心だけで後ろも振り返らずに5年間前しか見なかった
そんで振り返って見たら
沢山の仲間も失って
自分の創りたかった店ともかけ離れて
終いには1番思い入れのあった下北沢本店を賃貸契約の都合も有りはしたが閉店しなきゃいけなくなって
沢山の人を踏み台に5年間突っ走って
沢山のものを犠牲にしたけど
僕の心もボロボロだった
僕が描いてた
本当に美味しい食事を出して
楽しく仲間と働いて
大切な人が来てくれて
最高の家族を創る
そんな念いは脆くも崩れかけた
それでも必死に
ギリギリのところで
誰かが辞めても僕だけは辞めちゃいけないと
崖から落ちそうな所で踏み止まってた
もしも全員が諦めても
例えアルバイトの最後の1人でも残ってる限り僕は諦めないと誓った
そして
僕は5年前にゴキゲン鳥を立ち上げた時のように
必死に寝ないで朝から晩まで働いて
休みもなくて
過酷な労働で
だけど飲食は素晴らしい商売だから
「夢を持って一緒に頑張ろうよ」
そんな綺麗事は糞食らえだと思った
もっとそんな上っ面の綺麗事じゃなく
根本的な中身から改善しなきゃこれからの時代は生き残っていけないと感じて
この2年間
現場を離れて
抜本的な改善を行ってきた
そしてやっと
根本的な労働基準法を遵守して回るようになってきたこの頃
次のステップへ進める光が見えて来た
2年間ゴキゲン鳥の飲食の現場を離れてた理由はそんな事もあったけど
それ以外にもそんな風に何かが上手くいかない時は続くもので、5年前に飲食を始めるために離れた会社もボロボロになって潰れそうで今度は僕がそっちに入らなきゃいけなくなって
約2年近く
ゴキゲン鳥の現場を離れて
なんとか潰れそうだった会社も持ち直して
はじめの頃はこんな事、こんな所で足踏みしてる場合じゃないと思ってたけど
2年前の飲食でズタボロにされた僕にはちょうど良かったのかもしれない
多分あの時ぼくが必死にゴキゲン鳥を創った時みたいに我武者羅にやってももっと潰れる人間を出すだけだったと思う
結局は後からだから言える事だが
人生は起きて見た事が最良の結果だったりする
そしてやっと念願だった
ゴキゲン鳥の海外出店へ向けて
次の一歩を踏み出せる所まで来た
昨日からはその模索もあって
カリフォルニアに来てる
本当に美味しい飲食の海外出店は長年の夢の1つでもある
その為に仲間も増えて
スタートする準備は整った
だけれど
その前に
1つだけやらなきゃならない事がある
国内のゴキゲン鳥をもう一度中身から見直し
本当に美味しい食事を焼き鳥を大切な人に食べてもらい
尚且つそこで働く者を充実させる
その為にゴキゲン鳥の現場に立ちもう一度ファミリーと働く
2年間ずっとやらなきゃいけないけど他にもやらなきゃいけない事もあると自分に言って
本当は逃げていたのかもしれない
あの5年間必死にやってきた結果が悪夢だった思いを2度と味わいたくなくて
適度な距離感で
安全な所から
なるべく当たり障りないように
傷つかないように
保ってきたこの温度差を
傷つくのも傷つけるのも覚悟でもう一度やらなきゃいけない
失って1店舗の復活も含めて
それが海外出店の前に僕が最後に国内でやらなきゃいけない大切な仕事
いまさら現場の仕事は僕なんかよりこの2年間一生懸命働いてくれてた仲間の方ができるに決まってる
だけれど
僕の仕事は現場で一緒に働き
「創業者の念いを伝える事」
そしてなるべく最良の状態で次のステップ海外出店に行く事が
僕が
ゴキゲン鳥の社長としてできる国内最後の仕事だ
ずっと葛藤してきた
海外出店は「逃げ」じゃない「攻め」だと言うことを証明する為にも
残す者のために僕の持てる最大限を残して行く
カリフォルニアから帰ったら
10月から
『ゴキゲン鳥 恵比寿店』
でもう一度焼き鳥を焼く所からはじめます
月曜日〜金曜日まで全部います
1ヶ月になるのか3ヶ月になるのか半年になるのかそれとも離れられなくなるのかはわかりません
国内のゴキゲン鳥が自分の納得の行く形になるまで立ちます
あの焼き台の前にまた立てることは
嬉しくもあり
不安でもあり
楽しみでもあり
怖くもあり
なんせワクワクしてます
僕だってこの数年間誰よりも自分を律して生きてきたつもり
国内の飲食も
海外の出店も
必ず全部やりきってやる!!
2017.9.24 長栄潔