メインレース彩の国トレニックワールド100mileまであと5日
3年越しの挑戦
2年前のちょうどこの時期
サハラ砂漠で出会った友人にトレラン100mileのレースに誘われたのが
彩の国トレニックワールド100mile in 越生
であった。
それまでまともなトレイルレースなんて出たことなかったけど今までも完走だけならなんとかなったできないことなんてなかった
そんな軽い気持ちでいつか行ってみたいUTMBの前哨戦だぐらいの想いだった。
そして真夏の5月の越生
40㎞地点で脆くも足首捻挫して70㎞地点の最寄りの駅でリタイヤ
そもそもレース中に怪我してリタイヤして自力で帰らなきゃいけないレースなんて初めてだったが捻挫なんかしてなくても完走は到底無理だった
甘かったただそれに尽きる
IRONMANもサハラマラソンも完走だけなら足を止めなきゃできた
だけれど100mileのトレイルレースは違った
山の中を夜中もぶっ続けで走るレースは最善の準備と最大の練習と覚悟が必要だった
完走できなかったことは悔しかったけど僕はワクワクした
まだこんな挑戦があったんだ 人生をかけるだけの価値がある
1年後 2回目の挑戦
そして挑んだ1年後
準備は万端
この1年間で20本近いトレランレースにも出て経験も積んだ
走力もそれなりに自信があった
不安要素は120㎞以上走ったことはなかったことだがこんなロングレース試走で160㎞走ろうとは思えなかった
レースで楽し苦味わおう そう覚悟した
結果は
前半50㎞は良い位置に付けて上位すら狙える順位
中盤50㎞の苦手な夜間に入って歯車は狂い始めた
35時間も走ってりゃ当然トラブルや問題の１つや２つはある
だけれど予定通りに走ってきたはずなのに後半ラスト50㎞に脚が出ない走れない
この大会の他との大きな違いは 完全に歩き続けたら完走できないことだ
120㎞以上経験したことのなかった僕にはその後復活もあるだろうとは考えられなかった（そもそもレース後１週間まともに歩けなかったから復活もなかったかもしれないが）
こうして僕の1年間の取り組みは失敗に終わった
ただただ悔しかった
失敗の原因も理由もわからなかった
僕は作戦通りに随行してきた 大きなミスもなかった
なのになぜ？ そんな気持ちと1年間の苦労がまるで泡となり消えたように感じて何もする気になれなかった 喪失感
失敗とはこんなにも苦しいものなのか
原因がわかっていないことは尚更キツかった
また来年頑張るとはこの1年間の苦労を思うと思えなかった。
それでも傷が癒えて冷静になると答えが繋がりはじめた
僕は作戦通り行っていると思っていた
そう それが間違いだった
そもそも作戦が正しくなかった
前半50㎞で想定よりも1時間半も速く着いてしまったスピード自体が自分にとって大幅にオーバーペースだったのだ
過信としか言いようがない
そして中盤の苦手な夜間に入り前半の体力消耗と共に気力を奪っていった
100mileレースは難しい
35時間もの中自分をしかっり冷静に客観視できる経験値や飛ばせばいいという問題ではない技術が必要だ
まるで勢いと根性だけで生きてきた僕の人生のようだ
なんの知識も持ち合わせずとにかく現場でやって覚える
だけれどそんなやり方じゃ通用しない世界もあった
まるでそれは現状の会社や仕事にも反映していた
勢いだけでやって 何かを学ぼうともせず
壁にぶつかる
100mileレースは人生の縮図だ
強さも必要だが
休みもなく無駄に汗を流して頑張ってるフリになってるだけの無駄な努力はゴールへは続いていない
しっかりと考え 正しい地図とスケジュールを作成して
それに沿った練習・仕事をして行く
それのみがゴールに続いていると確信した
また1年は長いけどまた大好きなこの山に来る理由ができた
もう一度挑戦しよう そう思えた
あれから1年
長いと思っていたらあっという間だった
いま去年よりも強く賢くなった自分がいる
UTMBで100mileレースも経験して苦手なはずの夜間も二晩も乗り越えた
なぜそれができたのか
そもそも夜が苦手なのは規則正しい生活してるから夜更かしができない
だけどそれを逆手に取れば夜が明ければ人一倍い目が覚めることもわかった
夜でキツいのは朝の5時までだけ
いつもの起きる時間になれば眠気もなくなる身体だった
彩の国は一晩だけ35時間制限時間だから
僕にとっては有利だ
120㎞以上走り続けることは今年UTMBと沖縄で試して
ダレてきても必ず復活することを覚えた
100mileレースは長い
何が待ち受けているかわからない
ほんの一瞬の判断ミスが失敗にだって繋がりかねない
油断は禁物だが
今の自分にやれるだけのことはやった
練習も99％できた
言い訳は１つも用意されていない
UTMBを完走しても満足できなかったのは
僕にとっての100mileレースはやっぱり初めて挑戦して初めて失敗した
彩の国トレニックワールド100mile
なんだ
今まで数多くのレースに出てきてもゼッケンどころか参加賞やメダルすらもらわないこともある僕がこの大会の案内すら捨てられないでいるのは
この大会が大好きで悔しくて情けなくてだけれどやっぱり大好きで
できなかったことをキッチリやり遂げたい証
第1回大会 完走者 0人
第2回大会 完走者15人
第3回大会 完走者30人
「1人も完走できなかった伝説の大会がある」
仲間にそう誘われて軽い気持ちで乗ったら
気づけば僕のトレランはここで始まりここまで来た
今回の第4回大会 自身3度目の挑戦
出場者300人弱
必ず30人に入る
そして僕はサイラーになる
レースまであと5日.
