IRONMANへの道
10年前、、、
日本一の歓楽街歌舞伎町で朝まで飲んで、次の日の夜にタワーマンションの42階で目が覚めて、二日酔いでもがきながらいっその事このままベランダから飛び降りちまった方が楽なんじゃないかと酒鬱になりながらテレビを点けると、24時間テレビで目の見えない子がトライアスロンに挑戦して鈴の音だけを頼りに自転車を漕いでいた。
えっ?目が見えなくて自転車って乗れるの?
ボクは絶望にも近い気持ちで自分の生きている自堕落な生活が嫌になった。
目の見えない子がこんなに必死に生きてるのに今のボクは何を生きがいに生きているのだろう
最初の一歩
たしか、同じ飲食の経営者にこんな事を言われた事があった
トライアスロンに誘われたので、ボクは仕事が忙しいから無理だとあっさり断った
すると「みんな仕事もちゃんとやりながらトライアスロンもやってるよ」そう返ってきた。
あの時はそんなことしてる暇はないと検討する余地も持たなかったが、その結果今のボクはどうだろう。ただ、毎日酒を飲んでるだけじゃないか。どこに時間がないと言える。
そしてボクは走り始めた。
1km続けて走れない。
だから毎日1km走り続けた。
そしたら3km走れるようになった。
あれから10年
気づけば1km走れなかったボクの日課は、
毎朝12km走る事になっていた。
人が簡単に変われるとは思えない。
だけど変わりたいという強い気持ちは必ずなんらかしらの結果を伴う
最初の目標は
- IRONMANを完走すること
- 100kmマラソンを完走すること
- サハラ砂漠マラソンを完走すること
この3つだった
1km走れないボクに、毎日キャバクラで飲み歩きシャンパン王子と言われていたボクに、ジムのトレーナーが出した答えは
「10年はかかりますね」
だからボクは3年で上記の3つを成し遂げてやった。
強い信念を持てば必ずできるできないことも
今のボクならあの時の盲目の少女の挑戦を後ろめたい気持ちで見るのではなく、少なくとも心から応援できるくらいにはなった。
飽くない挑戦
次の挑戦はより過酷なトレイルランニング
世界の最高峰100mileトレイルでUTMBへ行く事だった
そしたら2年でできちゃった
だけど飽くなき欲望は尽きる事はなかった
ひとつできたら次の欲望
それもできたらもっと
もっともっともっと、、、
IRONMANでコナにも行きたいし
サイラーにもなりたいし
湘南OWS10kmも完泳したいし
ウエスタンステーツにもバットウォーターにも行きたい
この欲求は尽きる事がない
そしてIRONMANへ
IRONMANになりたくて10年前に始めたボクの挑戦は、
IRONMANを完走しても、サハラ砂漠へ行っても、モンブランを走っても、
IRONMANにはなれなかった
ボクの心は軟弱で、嫌な事があれば投げ出したくなって、逃げ出したくなって、できればいつも楽な方で生きていたくて、辛い事や苦しい事なんてしたくない自分がいる
甘えん坊で、弱虫で、貧弱で、ズルくて、汚くて、カッコ悪い自分
「IRONMANそれは体の鉄人ではなく心の鉄人になること」
その意味を追いかけてまだまだ弱いけど10年前よりはほんの少しだけ逃げなくなった自分を信じてまたこれからも挑戦したい
来年はまた世界でIRONMANのレースにも出たいなと思う。コナにはまだ行けなくても過去の自分より少しでも成長した結果を出せるように